はじめに-
患者・ご家族の方へ
はじめて聞く病名、歩行がふらつく、つかれやすい…
これからどうすれば良い?将来どうなるのか分からない…
患者さんやご家族の方々は、不安でいっぱいなのではないでしょうか。
友の会はあなたと同じ立場の患者さんや家族の集まりです。
友の会は、病気に関する最新の情報提供、難病ピア・サポート(同じような立場や課題に直面する人がお互いに支え合うこと)を通じてあなたを支えます。
あかるく・あせらず・あきらめず
まだ治療法は確立されていませんが、日夜、研究者により治療法開発が進められています。
対症療法やリハビリで病気の進行を抑えながら、療養生活を送ることが大切です。
脊髄小脳変性症・多系統萎縮症とは
脊髄小脳変性症(SpinoCerebeller Degeneration:SCD)・多系統萎縮症(Multiple System Atrophy:MSA)は、進行性の神経難病の一つです。
難病*の中でも、脳や神経を侵すものを「神経難病」と言います。同じ神経難病には「パーキンソン病」や「ALS(筋萎縮性側索硬化症)」などがあります。
難病*とは?
国が指定する「難病(指定難病)」は338疾患(2022年10月現在)あります。
厚生労働省は、「発症の機構が明らかでない」、「治療方法が確立していない」、「希少な疾病である」、「長期の療養が必要である」という要件を満たす疾患を「難病」と位置付けています。
さらに難病のうち、「患者数が国内で一定数(現在の基準18万人・人口の0.142%未満)に達しない」、「客観的な診断基準、またはそれに準ずる基準が確立している」という要件を満たす疾患を「指定難病」と位置付け、重症患者には医療費の助成が行われています。
全国の患者数は?
国内に約4万人います。
【患者数内訳】2020年(令和2年)9月時点
- 脊髄小脳変性症(SCD):27,365人
- 多系統萎縮症(MSA):11,694人
- 総数:39,059人
脊髄小脳変性症(SCD)とは
脊髄小脳変性症(SpinoCerebeller Degeneration:SCD)は一つの病気ではなく、小脳、脳幹、脊髄などの神経組織に異常が生じ(変性と言います)、歩行時のふらつき、手の震え、ろれつが回らない、などの運動失調症状をきたす病気の総称です。SCDは、さまざまな原因によっておこる病気の総称なのです。
主な症状
- 歩行時のふらつき
- 手や指の震え
- 字が書きづらい
- ろれつが回らない
- 眼振(眼が自分の意志と関係なく揺れ動いてしまう)
- 筋肉が固くなる
- 足がつっぱる
- 起立性低血圧
- 尿が出にくい
- 頻尿(尿が近い、尿の回数が多い)
発症のメカニズム
小脳は、運動がスムーズに出来る様に調節する働きを持つ脳の一部です。
脊髄小脳変性症では主に小脳の神経細胞が徐々に減少することにより、運動がスムーズにできなくなる運動失調とよばれる症状が現れます。動かすことはできるのに、上手に動かすことができないのです。
小脳だけでなく、脊髄にも異常がみられることがあるため脊髄小脳変性症(SCD)と呼びます。